チンパンジーって? 生息地と亜種 生活
チンパンジーの生活
群れ
チンパンジーの社会は離合集散性の社会です。群れの仲間は集合して食事をすることもあれば、数人のグループや母子だけで行動することもあります。おいしい食べ物があるかないか、オスにとって魅力的な発情したメスがいるかいないかなどによって群れのメンバーが集まったり、離れて行動したりします。
優位なオスを中心にした社会的な順位がありますが、優位なオスが群れの動きなどをコントロールすることはありません。また、優位な地位をめぐってオス同士で争うことがあります。オスたちは、優位な地位を得るために同盟を組んだり、協力し合ったりして政治的な戦略を立てます。
オスは生まれ育った集団で一生を過ごし、メスは大人になるとほかの群れに移っていきます。
移動するときは地上を移動します。休息したり食事するときは樹上で多くの時間を過ごします。食べ物は主に果実ですが、葉や茎、樹皮などの植物質のものや昆虫や卵、サルやシカの仲間を捕まえてその肉を食べることもあります。
繁殖
メスは、7−9歳になると性皮がピンク色に大きく腫れるようになります。これは発情のサインです。オスも子どもたちもこのピンクの風船をつけたようなお尻に夢中になります。
優位なオスはもちろん、順位の低いオスも交尾します。どのオスもすべてのメスと交尾します。
大人が交尾をしていると、ちびっこたちが寄ってきてオスにとびかかったり、メスに乗ったりして大人の交尾を邪魔することがあります。しかし、大人たちはこのちびっこたちを叱るようなことはなく、ちょっと手で払いのけたりするだけです。このように大人たちの交尾を近くで見ることにより、子どもたちは交尾の方法や、メスの誘い方などを学びます。
グルーミング
グルーミング(毛づくろい)は、ただ体をきれいにするためだけではありません。仲の良いもの同士がくつろいでいるときによく見られるほか、ケンカの後の仲直りや相手のご機嫌をとるため、絆を深めるため、緊張をやわらげるためなどその場面によって多くの意味を持っています。また、グルーミングのときは、口を小さくパクパクさせたり、「クチャクチャクチャ」と音を立てます。
音声
チンパンジーは、ゴリラやオランウータンと比べると、かなり騒々しいです。さまざまな音声のレパートリーを持ち、盛んに声でコミュニケーションをとります。
「フーホーフーホーギャー!!」というのはパント・フートと呼ばれ、チンパンジーを代表する音声の一つです。「ぼくはここにいるよ!!」「今、到着したぞ!」などの意味があり、群れの仲間が合流したときや餌場に到着したときなどに叫びます。
子育て
子どもたちは、4−5歳までは母親のそばで過ごします。この頃に次の子どもが生まれます。お兄ちゃん、お姉ちゃんになった子どもたちは、母親のそばで弟や妹が育っていくのを見て過ごします。特にメスのこどもは、弟や妹にとても興味を示し、母親の手伝いをすることもあります。赤ん坊も、母親をはじめ、仲間たちに囲まれて育つことで、挨拶や食べ物、道具の使い方などを学んでいきます。
チンパンジーの母親は、積極的に子どもに教えることはありませんが、子どもが至近距離で母親の一挙一動を見たり、母親の食べ物や道具に触れることを許します。また、子どもが不安になるとすぐに抱きしめて安心感を与えます。子どもの遊びが激しくなってケンカになると母親同士のケンカになることもあります。
子どもたちはクルクル回ったり、追いかけっこしたり、レスリングなどをして遊びます。遊んでいるときは「ハハハハ」と笑います。また、大人たちも子どもほどではありませんがよく遊びます。
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