私たちの活動の目的
 
ひとりぼっちのチンパンジーたち
私たちのめざすサンクチュアリ

ひとりぼっちのチンパンジーたち

わたしたちは、特にひとりぼっちで生活しているチンパンジーのためのサンクチュアリをめざしています。

 私たちヒトに最も近いチンパンジー。その見かけだけでなく、行動や個性、考える所なども良く似ています。もともと群れで社会生活を送り、小さなグループ(家族・友達)が寄り集まって大きな集団(友達・ご近所付き合い)をつくり、時には恋人同士のランデブー(駆け落ち?)を楽しんだり、仲間同士で駆け引きをしたりとその生活スタイルは私たちにも通じるものがあります。 また、子どもは私たちヒトと同じように、長い期間を母親の元で過ごします。この大事な期間に生きていくために必要なことを学んでいくのです。
 
 飼育下ではそれぞれの施設によって違いますが、大きな群で生活をしているもの、小人数ながらも楽しそうに暮らしているものなど様々です。しかし、中にはやむを得ず単独での生活を余儀なくされているものもいます。これには様々な理由があります。

 

ひとりぼっちの理由

その1 ヒトとの付き合いが長すぎてチンパンジー同士での生活が困難な場合。

その2 チンパンジーも様々な個性を持つため、どうしても仲間と打ち解けることができない場合。

その3 施設が狭く、複数での飼育が物理的に困難な場合。
  ・・・などです。

 このような場合には、チンパンジーの身の安全を考えて単独での飼育がなされています。表に出てくることはないため皆さんの目に触れることはあまりないと思います。

 そんなチンパンジーに対して、飼育係の皆さんが精一杯ケアを行っていることは言うまでもありません。しかし、一般に動物園などの施設では他にも様々な動物を世話している為、飼育係が一人のチンパンジーに費やすことのできる時間は限られています。

その1 ヒトとの付き合いが長すぎてチンパンジー同士での生活が困難な場合

 ショーをしているチンパンジー、そして引退させられたチンパンジーも単独で飼育される場合が多い。
 
 エンターテイメントに使用されるチンパンジーについて

 一般的に、動物ショーやテレビ、イベントなどに使われるチンパンジーの多くは2才から6才です。
 チンパンジーショーを行うためには、幼児期に母親から離し、人工哺育して、よりヒトに慣れるようにします。場合によっては、きちんと母親が育てているにもかかわらず、無理やり母親から引き離して人工哺育をおこなうこともあります。そして、トレーナーとの1対1の関係を築きます。ヒトとの絆を築くために多くの場合、ほかのチンパンジーとは隔離されて飼育されます。そして、この間にヒトのように振舞うことを教えられ、服を着せられ、手を振ったり、お辞儀をしたりすることを教えられるのです。この時期はチンパンジーにとって、私たちヒトと同じように、本来お母さんのそばでお母さんから生きていくために必要なこと、仲間と過ごすために必要なことを学んでいく大切な時期なのです。この時期にチンパンジーのお母さんや仲間と過ごせないということは、チンパンジーとして生きていくための必要なことを身につけることができない、ということになります。そして、かわいくてヒトにとって安全である時期は、ほんの一時期です。10歳に満たないうちにチンパンジーの力はヒトよりも強くなり、ヒトがチンパンジーをコントロールするのは難しくなります。「やりたくないことはやりたくない」という意思もはっきりしてきます。そしてコントロールできなくなったチンパンジーは、ショーを引退し、檻の中での生活を余儀なくされるのです。それは、40〜50年と言われるチンパンジーの寿命を考えると、ほとんどの人生をその狭い檻の中で送ることになります。
 

 洋服を着たり、人間のように振舞うチンパンジーは、もちろん誰の目から見てもかわいいものです。しかし、それは、単なる人間のための娯楽であり、人間のエゴのため以外にほかなりません。そして、かわいらしく人間のように振舞うチンパンジーから得られるものは何でしょうか。そのようなチンパンジーを見て、野生のチンパンジーに思いをはせる人はどのくらいいるのでしょうか。その場限りの娯楽になっているのが事実です。私たちの娯楽のためだけに、私たちと同じような感情を持つチンパンジーをこのように利用してよいのでしょうか。

 「チンパンジーがかわいいから」「ヒトに似ているから」という理由でたった10年間をヒトのように振る舞って過ごし、残りの40数年を一人ぼっちで過ごすことになるとしたら、その代償は大きすぎるのではないでしょうか。もし、一度ヒトのように振舞うことを教えられたチンパンジーが、一生ヒトとして一緒に暮らすことができるとしたら、これはそんなに大きな問題ではありません。しかし実際には、力も強くなり自分の意思を持つようになったチンパンジーをヒトがコントロールし続けることは不可能なのです。引退後に、運よく群れに入るチャンスを得る個体もいますが、大事な幼少期にチンパンジーと離され、ヒトと多くの時間を過ごしているので、群れ生活に必要な挨拶やルールを知らず、結果として群れに入れず、ひとりぼっちで残りの生涯を過ごさなければならなくなる、という悲しい結果となる場合も多いのです。

 そんな悲しいチンパンジーをこれ以上作り出さないように、「かわいいチンパンジー」の現実と将来を意識することが大切だと感じています。   


その2 チンパンジーも様々な個性を持つため、どうしても仲間と打ち解けることができない場合

 わたしたちヒトと同じようにチンパンジーにも個性があります。群れのメンバーとうまくやっていけないこともあります。特に飼育下という限られた環境の中では、逃げたり隠れたりすることができない場合が多く、ひどい怪我を負ってしまう場合があります。チンパンジーの身の安全のために、いじめられてしまう個体が隔離されたり、いじめる個体が隔離される場合もあります。そのために単独生活をしなければならないチンパンジーたちがいます。

 また、飼育下という限られた空間の中では、大きな大人のオスを複数で飼育するのは困難です。オスは大人になると、群れの1位の座をめぐって力比べをするようになります。物を叩いたり、物を引きずって走り回ったりするディスプレイをはじめ、直接対決や他個体が巻き込まれることもあります。そうなると限られた空間の中では、ひどい怪我を負うこともあるため、そうならないように大人オスを分けて飼育するケースも少なくありません。


その3 施設が狭く、複数での飼育が物理的に困難な場合

 ショーウインドウの棚に商品を陳列するように、かつての動物園では動物をペアまたは単独で展示していました。
 野生のチンパンジーが「群れ」として社会生活をしていることがわかり、空間的に余裕があり資金的に都合のつく施設では、「群れ飼育」のできる展示施設へと変化しています。しかし、様々な都合により「群れ飼育」のできない施設が多いのが現状です。

 

全国には以上のように、様々な事情により、単独で飼育されている個体がまだ多くいます。

 個々の飼育施設が抱えている問題は、個々の力だけでは解決が難しい場合が多く、全国的な施設間の共同した調整が少しずつですが進んではいます。しかし、国内の既存の施設だけでの調整では対応しきれない問題も多いのが現状です。

 そこで、私たちはそんなチンパンジー達の為のサンクチュアリを作っていきたいと考え、活動しています。

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